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人を指導する、とは?
名コーチ、或いはカリスマトレーナー等と言う敬称は昔から有る。
選手を育てる人がその様に言われるのは嬉しいものだ。
でも、ちょっと待てよ。
その昔、俺が中学生だった頃の野球部の顧問は名監督の敬称が欲しいが為に何時でも自分がカッコよく目立つ事ばかりを考えて、
それぞれの生徒達の発達や疑問、悩みにはまるでオザナリだったではないか。
今でも、トレーナーの講習会等では『俺って凄いでしょ!』と言わんばかりの講師がいるのだか、指導を受ける側にはそんな自己陶酔野郎はウンザリなのだ。
来年には30年になるプロレスのキャリアの中で、人にアドバイスをする機会は多いのだが、
選手やクライアントの成長、成果はその人の努力で勝ち得たものでコーチやトレーナーがもたらすものでは無いと言うことを指導者サイドはキモニ命じなくては成らんのだ。
コーチと選手の関係が上手く行かなくなるパターンはどのスポーツでもソコの所だ。
指導者は常に縁の下に居るべきなのだ。
やっぱり人柄
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WNC 新宿FACE 大会にご来場くださったお礼がてら、役者の先輩であり筋トレ仲間の江上真悟さんを訪ねた。
そこに合流したのは文学座の新橋耐子さん。70歳を超えていても艶がありハツラツとしてカッコいい。
かなり酔われている様子が可愛らしく、ふらつく身体をシャンと支え見据える口から『大事なのは人品よ』と諭す。
江上さんも美輪明宏さんに鍛えられた経験からも『やっぱり最終的には人柄だ』と言う。
人を出し抜きのしあがる人達がもてはやされる世界に居ながらも、その持論をこの二人から聞けたことは、俺にとって慰めになり励みになった。
人生の価値観をようやく考える47歳。life is beautiful かなッ。
あの選手が若かった頃。。。
最近、若い選手達の活躍が観ていて嬉しい。会場の隅からのぞくリングでの情景は、出来不出来に係わらず選手達の情熱に心が惹きつけられる。
それは俺が歳を取った証拠なのだろう。彼らの躍動を眺めつつ時折、俺の若手時代を想いおこしたりもする。一心不乱、いや、ただがむしゃら。。。ってか、馬鹿。
そんな時代を誰もが通り過ぎるのだが、アノ人にも、いや、アノお方,アノ超ビックにも若手の頃は有ったのだ。きょうはそんな話をしょう。
その人が海外武者修行としてアメリカにいた頃。どのプロレス団体にも使ってもらえずに喰うに喰えない生活を強いられていたそうだ。
そんなある日のこと、やっと組んでもらえた興行に或る日本人のご婦人がその興行に出向き、その若いやせ細った選手と出逢ったのだった。
そのご婦人は、アメリカ人医師とご結婚をされて日本とアメリカの往復生活のなかで、当時は日本人が訪れて来る事はめったに無かった都市に滞在していた時のこと、夫の心づかいでプロレス興行に2人で観戦をしに行く事になったのだそうだ。
あまりにも痩せたその若い選手に、ご婦人は毎日のように分厚いステーキを食べさせて、ぎらぎら光る目から語る夢をダイニングテーブルで毎日聞いていたのだと、、
『ありがとう。俺がトップになったら、後楽園、国技館の最前列の席を毎回招待するからね』
やがて、その痩せた選手は実力をつけ日本に帰りスターに成りました、アントニオ猪木さんです。それから猪木さんは新日本プロレスを退くまでずっと毎回毎回チケットをそのご婦人に送り続けたのだそうです。
俺がまだ若手と呼ばれていた頃にそのご婦人とのご縁をいただき、このお話を伺いました。